鍼灸ってなんで効くの???
これから何回かに分けて、いろんな病気の原因をできるだけわかりやすくお話ししていきたいと思っています。
その前に、病気を治すのに鍼とお灸で一体何をしてるんだろう???ということをお話しします。
鍼灸の効果の基本は、何よりも「循環の改善」にあります。
循環しているものと聞いて何を思い浮かべますか?
血液、リンパ液…
そうですね、西洋医学では血液やリンパ液などの体液循環のことを言います。
ちなみに大人の身体に含まれる水分は体重の約60%です。体重が50kgの場合には実に約30リットルあります。
東洋医学ではそれに「氣」の概念を合わせて「氣」「血」「津液(しんえき:血液以外の水分)」と分類しています。
ここで「氣」と聞くと不思議な目に見えないもののように思われる方が多いと思いますが、そんなことはありません。
身体を循環している血液やリンパ液を「水」としたら、その水に含まれる栄養分を「氣」とイメージしてもらえれば良いと思います。
栄養分(エネルギー)を含んだ水分が体中を循環している、というわけです。
そう聞くとものすごく健康そうに思えませんか?
これらのものが充実して、滞らずに巡っているのが健康な状態です。
私はこの「氣・血・津液」3つをひとまとめにして身体を流れる「水」としてこれからお話ししていきます。
「水」が身体の中を滞らずに流れている状態なら動きすぎて疲れたり、何か問題が発生しても、一晩寝るか休養するだけで回復します。
ところが、ほとんどの病気や体調不良では、ある部分で流れ過ぎていたり、流れが悪くなっていたりなど過不足が生じて、循環がスムーズでなくなっています(循環障害)。
循環障害が発生した部位では、コリ、痛み、しびれ、 重だるさ、冷え、過剰な熱などの不快な症状が出てきます。
頭で起これば頭痛・めまい・耳鳴り、首や肩ならコリ・五十肩・手のしびれ、腰なら腰痛・ヘルニア・狭窄症、そのほか関節の痛みなどなど。
例えば頭痛なら、頭の血管が緊張してキュッと締まって流れる量が少なくなっても、逆に血管がゆるゆるになって流れが遅くなっても頭痛は起こります。
循環に問題がある!状態を痛みという信号で送っていると考えます。
鍼灸は鍼と艾(もぐさ)という、ごくシンプルな道具を使ってツボ(経穴)を刺激することで血管の緊張や弛みの原因を解消します。
そうすると「水」がスムーズに流れ出すので症状が改善していくというわけです。
今回挙げた例はごく一部です。
私は、様々な治療を試してみても、なかなか改善しない体調不良でお悩みの患者さんのお手伝いをさせていただきたいと思い、日々鍼灸治療を行なっています。
もう治らないとあきらめておられる方、私の症状はどうかしら…と心当たりのある方はぜひ一度お気軽にご相談ください。
次回はツボについてお話しします。
※ツボのことを専門的には「経穴(けいけつ)」と言いますが、ここではわかりやすくツボとして説明していきます。