患者さんからよく「〇〇に効くツボってあるんですか?」という質問を受けます。

 

答えは「そんな万能なものありません!」

 

例えば、前回お話しした、「足三里(あしさんり)」でご説明します。

 

三里は「足の陽明胃経」という経絡上のツボです。

このツボは、ネットで調べますと…疲労回復や腹痛、下痢、嘔吐、便秘など胃腸の不調、ひざ痛や足のしびれなど足のトラブルなどに効くとされています。

 

すごすぎますよね。

 

でもそれは一定の条件の元での話です。

 

その一定の条件というのが鍼灸師が患者さんの脈・舌・お腹などを確認するということです。

その確認を基にこれまでお話ししたように、どうすれば身体の中の「水」を動かせるかという視点でツボを選択しています。

 

ひざ痛だからといって、どんな患者さん相手でも同じツボを選択することはありません。

 

極端に思われるかもしれませんが、肩こりの方と同じツボを選択することもあります。

 

ひざが痛くなった、肩こりになった、その原因と言える循環障害、その奥にある自律神経の働きを調えることに視点を置いているからです。

 

この症状に対してこのツボ、というものではないということです。

 

実際そのツボを刺激することで、何かわからないけど効いた!なんてことはあるかもしれません。

 

それはそれで良いかもしれませんが…。

 

なので、テレビや雑誌で「〇〇に効くツボ!」として紹介されるんでしょう。

 

でもそれはあくまで「たまたま」です。

 

効果は短く、根本的な解決になりません。

 

私は、様々な治療を試してみても、なかなか改善しない体調不良でお悩みの患者さんのお手伝いをさせていただきたいと思い、日々鍼灸治療を行なっています。

 

もう治らないとあきらめておられる方、私の症状はどうかしら…と心当たりのある方はぜひ一度お気軽にご相談ください。

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